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2007年6月 9日 (土)

オオジシギの「ジ」は「地酒」の「ジ」?(1)

6月に入り、高原では枯れ野原も芽吹きだして、遙かオーストラリアから渡ってきたオオジシギがカミナリシギの異名そのままに、ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・とディスプレイ・フライトをしていることでしょう。(以前あるメーリングリストに書いたものに加筆したものです)

そのオオジシギですが、しばらく以前に、バードウォッチング雑誌「バーダー」に、オオジシギなど「ジシギ」の名前は地上性のシギということに由来すると書かれている(茂田良光 2000. ジシギ類ってどんな鳥. Birder, 14(5): 26-31.)のを読んだとき、そんなことはないだろうと瞬間的に思いました。

ジシギのジが漢字としては「地」であって、旧仮名遣いで書けば「ヂシギ」であることは多くの人が同意することでしょうし、仮名遣いだけについては、戦前の図鑑類でもその通りであることはすぐわかります。

しかし語源について、地上性のシギだからというのは、ほとんどのシギが地上に生息していることから説得力がないと思います。色彩が茶色っぽいので地面に溶け込むという観点から地上性というのもわからなくはないですが、それならどうして同様の色彩で、日本のほとんどの地域でオオジシギなどよりずっと普通なタシギの和名は、「××ジシギ」(たとえば「フユジシギ」)ではないのでしょうか。

私の説はこれとはまったく違って、オオジシギの「ジ」は日本生まれという意味だというものです。

ご存じのようにシギと名のついた鳥は、日本には数十種記録されていますが、そのほとんどがいわゆる旅鳥であって、日本より北のロシアやアラスカで繁殖して、冬は日本より南まで渡り、日本には春と秋に通過するものです。シギと名付けられた鳥で日本で繁殖するのは、オオジシギ、イソシギなどごくわずかしかいないのです。

オオジシギの「ジ」はまさにこの、外国で生まれて日本には通りすがるだけのシギではなく、純粋に日本生まれのシギという「地」だと思うのです。つまり、「地の野菜」「地場産業」「地酒」の「地」と同じで、「その土地に産する」という意味なのだというのが私の説です。

その意味では真の「ジシギ」は、オオジシギのみであって、旅鳥のチュウジシギは本物の「ジシギ」ではなく、ただ形態の類似に引きずられた命名ということになります(「チュウ」という接頭語からは自然発生的な名前ではなく、いかにも類似した別種の名前からの人工的な命名であるにおいがします)。

一方、色彩が類似しているもっとも普通の種であるタシギは冬鳥ですので、この説によれば「××ジシギ」という名前が付いていないことには非常に筋が通っています。

私はこの説にはなかなか説得力があると思っているのですが、折に触れていろいろの方にご紹介しても、大いに受けはするものの、基本的に「微笑ましい珍説」といった反応が多く、あまり信用していただけないような印象でした。私自身もそれがちょっとしゃくに触るものの、どこにも典拠のない自分勝手な思い込みかも知れないと思うと、堂々と主張する自信がなかったのです。

オオジシギの「ジ」は「地酒」の「ジ」?(2) に続く

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