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2006年12月 2日 (土)

関東地方、住宅街のサケを観察

02_2
11/30朝のテレビ朝日のワイドショーで、千葉県柏市の住宅地を流れる大堀川で、サケの遡上が観察されたという話題を流していました。そこでさっそく翌日の今日、現場へ行ってみました。

場所は柏市の中心部からは少し外れた緑の多い住宅街です。

近くに小学校があり、そこが目印。朝行くと、あまり多くない観客が見ています。

サケはすぐわかりました。橋のすぐ下の浅い水中に泳いでいるのが見えます。個体数ですが、写真を撮っていてかなりの時間ファインダー越しに見ていた私は6尾くらいはいたような感じがしましたが、同行していた緻密なバードウォッチャー、K氏によれは、同時に見た最大数は4尾だったそうです。

サケは割合落ち着かない感じですが、まあ普通に泳いでいるときもあります。ただ、時によって体を横にして、体を震わせるようにしながら水しぶきをあげる行動を繰り返していました。

これは本によると、メスが産卵床を川の底に掘っているということのようです(川那部浩哉・水野信彦, 1995. 山渓カラー名鑑日本の淡水魚. 山と渓谷社)。

01_5「メスが」と来ましたが、体の大小は気づいたものの性の識別をまったく考えていませんでした。オスは産卵期には「鼻曲がり」になるはずだったのにまったく見ませんでした。ちゃんとオスを識別すれば、メスが産卵床を掘っているあいだに何をしているか観察できたのに・・・・。うっかりしました(「あぶらびれ」(=サケ科の魚にある背鰭と尾びれの間にある鰭)は見たんですけどね・・・)。

サケたちが利根川から、汚濁ワーストワンに長年君臨してきた手賀沼経由でここまで来たと考えると感慨無量です。

実際にはむろんこれらのサケは自然のものとは考えづらく、放流されたものの可能性がずっと高いということなのでしょう。利根川は太平洋側でのサケの遡上の南限だそうですが、産業的な放流はどのくらいされているのでしょうか。学校教育の一環としての放流は、小学校の教育でこのあたりの利根川、江戸川の流域などで相当行われているようです。

受精卵を生徒の自宅に持ち帰らせて、卵の中で稚魚の体ができてゆくようす(胚の発生、というべきですかね)と孵化を観察させ、稚魚になったところで放流するそうです。行政の方に伺いますと、「命を大切にする」「小学校の国語の教科書にある『サケの一生』を実体験させる」というような点が目的であるようで、サケを呼び戻すことを非常に真剣に考えている、というわけでもないようです。

実際には、分布の南限ぎりぎり(江戸川は南限より南)での学校教育でのサケの放流はかなり微妙という感じがしますが、それはさておき、野生(あるいは「準野生」というべきか)のサケが川で泳いで、産卵床作りをしているのを見るのは初めてでしたので、非常に楽しく興味ふかく観察しました。

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コメント

最近、上の写真を水産関係の研究者の方に見ていただく機会があり、「産卵床(英語で"redd"というそうです)」を掘る行動でよいというお答えをいただきました。雄が先に遡上し、縄張りを構えたところへ雌が来て産卵床掘りをするので、この行動が見られれば雄もいないはずはないそうです。「鼻曲がり」ちゃんと見たかったなあ。
あと、図鑑等に載せるさいの種の標準和名は「サケ」ですが、複数種の総称としても「サケ」が用いられるので、この種だけを指す業界用語として「シロザケ」が用いられることもあるそうです。種和名と、複数種の総称が同じなのは「フクロウ」と同様な事例ということでしょうね。

大津川ではなくて、大堀川の誤りですね。しかし、現在は大津川にもサケは遡上しております。ただし、産卵床ができる小石のある川床がないので、産卵できずに死んでしまいます。

シバラボ様、大津川と大堀川の取り違えご指摘いただきありがとうございました。訂正します。

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