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2006年12月21日 (木)

関東地方にウソが多い今年、アカウソも

この冬はウソのニュースを良く聞きます。茨城県でもあちこちでウソの話題があるようですし、私の出没している千葉県北部でも話を聞きます。

東京の新宿御苑でも観察されたという話を聞きました。ずいぶん関東地方のいろいろの所にいるようです。

そのうえに、関東で見られているウソに、亜種のアカウソがだいぶ入っているようすです。亜種というのは、一言でいえば、同じ種の中の地方型と言ってよいと思います。種の中で繁殖分布がことなって、色彩等がわずかにことなるグループをそれぞれ亜種としています。

seichoudokuさんのブログに、千葉県内の手賀沼で観察されたアカウソの画像が掲載されています。

ハリモモチュウシャクの和名のところで触れた日本鳥学会の日本鳥類目録第6版で調べると、種ウソのうち、日本に記録のあるのは三つの亜種があります。図鑑から色彩の情報も見て概略をまとめると次のようになります。

●亜種ウソ     
【繁殖分布】本州・北海道・南千島で繁殖 
【雄の腹の色】純粋な灰色(わずかにバラ色がかる個体もいる)

●亜種アカウソ   
【繁殖分布】アムール・ウスリー地方、サハリン
【雄の腹の色】バラ色がかった灰色

●亜種ベニバラウソ 
【繁殖分布】オホーツク海北岸、カムチャツカ、北千島
【雄の腹の色】明るいバラ色

ということです。繁殖地が北にゆくほど腹のバラ色が強いと言うことでしょうかね。ただし、アカウソは別亜種にせずに亜種ウソにまとめてしまう分類学者もいるそうです。また、亜種ウソの中にも雄の下面がわずかにバラ色がかる個体もいるようです。

高尾山から西の方角に入った神奈川県の山沿いにお住まいの方に伺いますと、そちらのほうでも今冬はウソを良く見るそうで、またアカウソも結構な率で入っているそうです。

とはいえ、亜種アカウソは上記の日本鳥類目録によると、普通な冬鳥ということだそうですので、本州でもウソが例年越冬する場所では特別なニュースではないのでしょう。

それにしても私の生活エリアではウソは普通見られる鳥ではないので、なかなか楽しみです。アムール・ウスリー・サハリンあたりで今年、アカウソの繁殖がうまく行って、アカウソが多いのでしょうか、それともアカウソが本来越冬する地方に餌が少なくて、普段現れない関東地方まで溢れてきたのでしょうか。

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コメント

日本産ウソの3亜種の識別は、胸から腹の色以外に、大雨覆の色彩(灰色か白いか)、外側尾羽に白い軸斑があるか、等があります。これについては、たとえば「日本の鳥550山野の鳥」(改訂増補版、五百沢日丸ほか、2004、文一総合出版)に書いてあります。ただし尾羽の軸斑の特徴は一定ではないようで、研究用の剥製標本をたくさん調べて書かれた「日本の鳥類と其の生態」(第1巻、山階芳麿、梓書房)では、亜種ベニバラウソでは白色の軸斑が「屡々」(=しばしば)あるというふうに書かれています。またメスですが、やはり研究用の標本を調査された国立科学博物館の森岡弘之さんは、亜種ウソと亜種アカウソのメスは区別できないと書かれています(森岡弘之, 1992. 日本およびその周辺地域のウソの亜種. 国立科学博物館専報, 25: 171-174.)。

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