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2006年10月10日 (火)

大都市近郊の住宅地のムクドリのねぐら

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10/8の夕方、常磐線に乗って千葉県北部の住宅地、新松戸にムクドリの塒(ねぐら)入りを見に行きました。関東周辺の、高度成長期に「新興住宅地」と言われたような住宅地の、駅前ロータリーや商店街の街路樹に、ムクドリの塒ができて、騒音や糞の問題が起こっていますが、新松戸もそのような場所のひとつです。駅から数分の商店街のケヤキ並木に、ムクドリが群れでとまって夜を過ごします。

例年ですと、9月中頃を狙って見に行き、ちょうどそのころムクドリの群れに少数が入るコムクドリを見るのですが、今年は9月中が忙しくこの時期になりました。コムクドリは北日本や本州中部の高原などで繁殖し、冬はフィリピンなどで越冬する渡り鳥で、9月には南下の途中で、関東地方の平野部のムクドリの群れの中に入っているのが見られます。今回はやはり時期が遅く、コムクドリは見られませんでした。

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ムクドリはコムクドリと違って、本州以南では周年見られます(北海道では夏鳥のことが多いそうです)。農耕地で餌をとり、4〜6月ごろに樹洞や家の戸袋などで巣を作り子育てします。新松戸のねぐらは繁殖期の後半から、ケヤキが落葉するまで見られるようです。

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ムクドリは直接ケヤキに飛んでくるのもいますが、かなりの数が夕方近くなると近くの送電線に集合します。それから、ケヤキ並木に直交する道路の電線に集合し、暗くなるにつれてばらばらとケヤキに入ってゆきます。塒入りの前に別の場所に集まるのを「就塒前集合(しゅうじぜんしゅうごう)」と言いますが、最初に電線に集まるのはまさにそれです。

この日は、16:45ころから徐々に高圧線から電線に集まってきて、17時前にはかなりの数になっていましたが、17時過ぎでしょうか、どこかで爆竹を鳴らす音がしたのを合図に一斉に飛び立ち、50本ほどのケヤキに塒入りしました。

爆竹を誰が鳴らしているのかわかりませんでしたが、この音を合図に大部分の個体数が一息に塒入りしたところを見ると、地元の方が頃合いを見計らって計画的に鳴らしているのかも知れません。

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個体数を数えるのは至難の業ですが、塒のケヤキが50本、1本のケヤキに100羽入っているとすると、合計で5000羽はいることになります。この推定はかなりおおざっぱですので、もっと(たとえば1万羽)いるのかもしれません。

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ムクドリの塒が新興住宅地にできるのは近年あちこちで聞かれますが、以前からムクドリの大きな塒はもちろんありました。昔は大きな農家の屋敷林などにできていたので、下を人が通るわけでもなく、糞が落ちても下は土ですので問題はなかったのです。

有害物質や自然破壊によって猛禽類が減少し、ムクドリが増加したという意見を述べている方もいらっしゃるようですが、猛禽類は(もちろん種類にもよるものの)、都市近郊では30〜40年前よりもむしろ増加している印象があり、一方ムクドリの個体数が増加したというのは単に以前は屋敷林などに塒をとっているために気づかなかったというだけのように思われ、この説にはにわかに賛成できないように思います。

実際に住んでいらっしゃる皆さんの反感をおそれずに言えば、人間があとから街を造って住みだしたためにこうなった、とも言うことができるように思います。実際どんなに立派な街路樹があっても、周辺に日中の餌場となる広い農耕地がないとムクドリが暮らしてゆけませんから、大きな塒はできません(たとえば、東京の表参道のケヤキ並木でムクドリの塒が問題になったという話を聞いたことがありません)。そういう意味では、ムクドリの塒はまさに環境の良い証ではあるのです。

その一方で不思議なのは賑やかな商店街や駅前をねらうように塒ができることです。これについてはなかなか判断が難しいようです。そもそも本当に賑やかな場所を選んでいるのかも、科学的に確かめるのは結構難しいところです。賑やかな場所を選んでいるとして、それはどういう理由なのかもよく分かりません。やっぱり人間の活動が活発なところが、他の外敵が少なくて安全だということなのでしょうか。

試しに、誰も住んでないような街はずれの農地に立派な並木を造って、ライトアップの上、賑やかな騒音なども流してから、本来の商店街の塒のほうで追い払ったら、新しい並木に引っ越すかどうか、やってみたら良いかもしれません(お金、かかりますね、成功の当てもなくできることじゃないですね)。

※ 当初の記事タイトル「新興住宅地のムクドリのねぐら」を、「大都市近郊の住宅地のムクドリのねぐら」に変更しました。これにあわせて本文の文言も修正しました(2014年10月14日修正)

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コメント

はじめてコメントさせていただきます。
夜の群鳥について調べていて、辿りつきました。

わたしは表参道に勤めているのですが、夜、帰る時、ケヤキ並木に夜に鳥の群れが現れ、はげしく鳴き飛んでいる様子を何度かみました。
どうにも気になって調べたところ「ムクドリ」かなぁと思いつつ、周囲にはめぼしい餌場?もないし、、と不思議に思い、コメントさせていただきました。
(あえて言えば、明治神宮の木々でしょうか)

動画をとろうとしたのですが暗くて撮れず。。表参道にもムクドリがくるようになっているのでしょうか。

無知のままの質問ですみません。
よろしければ、御所感いただけると嬉しいです!m(._.)m

マリ


マリさん

コメントありがとうございました。そうですね。ケヤキ並木で夜群れになっていて激しく鳴いているという状況から一番思い浮かぶのはおっしゃるとおりムクドリです。

私も

> 東京の表参道のケヤキ並木でムクドリの塒が問題になったという話を聞いたことがありません

などとうっかり書きましたが本当はムクドリが来ているかどうかを確かめるべきでした。

数がおおければ沿道のお店の方達が嫌がるはずですが、それほどではないということなのでしょうか?ご覧になって、糞やらはねがいっぱい落ちてお店の方が迷惑されてるという程ではないのですか?

ムクドリそのものは東京にも一年中いますし、おっしゃる「めぼしい餌場?」については、芝生の虫は大好きなので代々木公園や、神宮の宝物殿の前とかはよい餌場になるはずで、表参道のケヤキにねぐらができてもおかしくないと思います。

ご教示いただいたので私もいちど見に行ってみたいと思います。

さっそくのレスポンス、ありがとうございました!
(本日は夜11時ころに通行、ムクドリには遭遇しませんでした)

なるほど明治神宮や代々木公園がありますね。
数は、もしムクドリを知らなければ「何事?」とびっくりする程度には、すごく多い、と思ってます。土地柄なのか?私と同じように立ち止まって見てる人は見かけませんけれど・・。

糞やら羽やらが道路上で気になったことはありませんが、ひょっとして早朝に路面清掃が入っているのかもしれないと思いました。ちかくの歩道橋には、羽や糞(や落書き)が結構あります。
周囲は表参道ヒルズや海外ブランドショップが連なり、「景観」にコストを使えるんだろう環境です。歩道橋はフリーなのかな。(それもいいんだけど)

表参道は、わからないけど結構いろんな鳥がいるんですね。会社前でカワセミを見かけ驚喜したこともあります。(ハクビシンもいました!)
ヒトの営みに影響はうけるんでしょうが、関係なく同時間に生きているのを見ると、ちょっとうれしくなります。ぜひお時間のあるときにウォッチしていたfだけるとうれしいです。

これからもときどき読ませていただきます。
ありがとうございました。

マリ

マリさん

こんばんは。今日、時間ができたのでさっそくご教示いただいた表参道に行ってきました。

有名なおもちゃ屋さんの前ですね(^^) ムクドリが数百入っているほか、スズメもねぐらに使っていました。

写真を撮りましたので、早めにブログの新しい記事としてアップしたいと思います。

おかげさまで興味深い観察ができました。ありがとうございました。

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