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2006年10月27日 (金)

東京湾のガンの写真@1960

なかなか時間がとれずブログの更新ができません。例のムクドリ群中の変な鳥は、文を書くのに少し時間がかかりそうのなので、今日はネットで見つけた昔の写真の話題です。

古い(失礼!)バードウォッチャーの大先輩Tさんが、古い(失礼!)モノクロ野鳥写真の復権と保存活用を目指して始められた、バード・フォト・アーカイブスのサイト、「らくがき帳」のページの10/18の項に1960年の東京湾のガンの群れの写真を載せておられます。

小さい画像ですが、よく見ると雲の黒い底面とその上の白いところにバラバラと結構な数のガンが飛んでいます。

ガンといえば、昔は日本中に渡来していて、明治時代には東京湾どころか、上野の不忍池にも飛来していたそうです。たとえば森鴎外の小説「雁」は、不忍池にいたガンの小群に、学生が悪ふざけで石を投げたところ1羽に当たって死んでしまい、こっそり拾って下宿に持ち帰って食べてしまうエピソードが話のひとつの軸になっています。現在は関東地方では茨城県にヒシクイというガンの小群の渡来地があるだけで、関東地方からですと、東北や北陸まで遠出しないと見られない鳥です。そのガンが明治時代はもとより戦後も東京湾に渡来していました。

1992年のリオデジャネイロの地球サミット前後から急に環境問題に追い風が吹きだし、それ以後の埋め立て問題、たとえば、有明海干拓などは非常に大きく取り上げられて、鳥やその他の生物もいっぱいいるのにけしからんことだとお考えの方もたくさんいらっしゃるでしょう。しかし、そういった方でも東京湾が実はもとは広大な野鳥の楽園だったこと、現在の湾岸の街がそういった野鳥の生息地を埋め立てて造成されたことをあまりはっきりと認識されていない場合が案外多いのではないかと推測します。

1960年といえば46年前、もう半世紀まえではあります。私もガンのいた東京湾は知りません。でも、もう死にそうなよぼよぼのお爺さんが赤ちゃんだったころ、というほどの大昔でもないのです。まだこの景色をリアルタイムでご存じのウォッチャーが業界でにこにこと仕事をしたり観察会指導をしたりなさっているわけです。

大昔とはとても言えない、そんな過去なのですが、現在の鳥の状況を考えてみると、思えば遠くへ来たものです。なんとか豊かな自然を取り戻したいものです。

近刊という「東京湾にガンがいた頃—鳥・人・干潟 どこへ—」が楽しみです。

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コメント

バード・フォト・アーカイブスのサイト、The Photoのページには、1955年に同じ場所で高野伸二さんが撮影された、やはりガンの群れの飛行の写真が出ていますね。

ご紹介した本も出版されたとのこと、同サイトのShopのページで詳細がわかります。

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