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2006年7月19日 (水)

ヨシゴイが南大東島で繁殖、沖縄島は?

日本鳥学会という鳥の研究者団体の研究論文誌「日本鳥学会誌」の最新号に、「南大東島におけるヨシゴイの初営巣記録」(松井・高木・上田, 2006.  日本鳥学会誌, 55(1): 29-31.)という報告が掲載されました。このニュースを聞いたとき、お、沖縄県でヨシゴイがやっぱり繁殖してたな、と思いました。

日本鳥学会が、日本産の鳥について種ごとにどのような分布状況であるかをまとめた「日本鳥類目録」改訂6版(2000)という本には、ヨシゴイは琉球諸島では冬鳥となっています。バードウォッチング関係の書物でも、「県内では飛来数は少なく、初夏や冬季にまれに見られる。本土では夏鳥だが県内では冬鳥である。」(沖縄野鳥研究会編, 2002. 沖縄の野鳥. 新報出版. )などとなっています。

しかし、沖縄野鳥研究会, 1993. 改訂沖縄県の野鳥. 沖縄出版. に掲載の、沖縄島で撮影された雄の写真(1990年6月10日。糸満市)は嘴のつけ根から目先が、はっきりと紅潮(フラッシュ)しています。この赤い顔は、巣のすぐそばで鳴くときとか、抱卵交代のために巣に近づくときになるものです。6月10日は本州なら繁殖期に十分入っています。日付と目先の紅潮から考えると、この写真の個体はまず営巣していると思います(もちろん、渡り途上の個体が顔が紅潮しないということを観察の証拠で知っているわけではないのですが)。

さきの松井ほかの観察報告では、日本鳥類目録改訂6版や、沖縄野鳥研究会(2002)を引きつつ、琉球列島では冬鳥と書いていますが、私は琉球列島で繁殖があってまったくおかしくないと思います。本州で夏鳥で、もっと南の台湾やフィリピン、中国中南部、東南アジアでは周年見られるのですから、その中間の琉球諸島で冬鳥とか春夏の通過鳥というのは理屈にあいません。

琉球列島のヨシゴイの状況はおそらくハブの生息等で調査不足なだけではないかと思います。普通種は何でも分かっているというのはまったくの誤解で、いろいろ確かめなければいけないことが残っています。

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